ルカによる福音書

【原訳】1 さて安息日に彼が麦畑を通って歩くということが起こった。そして彼の弟子たちは摘み続けた。そして彼らは諸々の穂を食べ続けた、その諸々の手で揉みながら。

【原訳】2 さてファリサイ人のうちの何人かが言った。なぜあなたたちは、その諸々の安息日に不法であることを行なっているのか。

【原訳】3 そして彼らに向かって答えた後、そのイエスは言った。あなたたちはこのことを読まなかった。すなわち彼自身飢えた時にダビデと彼と一緒に居た者たちが行ったことを。

【原訳】4 どのようにして彼はその神の家の中へと入ったか、そしてその供え物の諸々のパンを取った後、彼が食べたか、そして彼と一緒にいる者たちに彼が与えたか――それらを食べることはその祭司たち以外には不法であるのだが――。

【原訳】5 そして彼は彼らに言い続けた。その安息日の主はその人間の息子である。

【原訳】6 さて別の安息日において彼がその会堂の中へと入って来るということ、また教えるということが起こった。そしてそこに人間が居続けた。そして彼の右の手は委縮し続けていた。

【原訳】7 さてその律法学者たちとファリサイ人たちは彼を注視し続けていた。その安息日において彼が治すかどうかを。彼らが彼を訴えることを見出すために。

【原訳】8 さて彼自身は彼らのその諸々の議論をすでに知ったままだった。さて彼はその委縮した手を持っている男性に言った。あなたは起きよ。そしてあなたはその中央の中へと立て。そして立ち上がった後、彼は立った。

【原訳】9 さてそのイエスは彼らに向かって言った。わたしはあなたたちを質す。その安息日に善行することか、それとも悪行することか、どちらが適法か。命を救うことか、それとも壊すことか。

【原訳】10 そして彼らすべてを見回した後、彼は彼に言った。あなたはあなたの手を伸ばせ。さて彼は行なった。そして彼の手は復した。

【原訳】11 さて彼ら自身は怒りに満たされた。そして彼らは互いに、彼らがそのイエスになしうることを、対話し続けた。

【原訳】12 さてそれらの日々において彼が祈るためにその山の中へと来るということが起こった。そして彼はその神の祈りの中で徹夜し続けた。

【原訳】13 そして昼が生じた時に、彼は彼の弟子たちを招集した、そして彼らのうちから十二人を選んだ後、そして彼らを彼は使徒たちと名付けたのだが。

【原訳】15 またマタイを、またトマスを、またアルファイのヤコブを、またゼロタイ人と呼ばれているシモンを、

【原訳】16 またヤコブのユダを、またユダ・イスカリオトを――彼が引き渡す者となったのだが――。

【原訳】17 そして彼らと一緒に下りた後、彼は平らな場所の上に立った。そして彼の弟子たちのうち多くの群衆と、そのユダとエルサレムとそのテュロスとシドンの沿岸との全てからの民の多くの人々が・・・

【原訳】18 ――彼らは彼から聞くために、また彼らの諸々の病気より癒されるために来たのだが――、そして汚れた諸霊により攪乱され続けている者たちは癒され続けた。

【原訳】19 そして全ての群衆は彼に触れることを求め続けた。なぜなら彼の力が出て来続けていたからだ。そして彼は全ての者たちを癒し続けた。

【原訳】20 そして彼が彼の両目を彼の弟子たちの中へと上げた後、彼は言い続けた。幸い、その貧しい者たち。なぜならその神の支配はあなたたちに属するからだ。

【原訳】21 幸い、今、その飢えている者たち。なぜならあなたたちは満たされるであろうからだ。幸い、今、その泣いている者たち。なぜならあなたたちは笑うだろうからだ。

【原訳】22 その人間たちがあなたたちを嫌う時に、また彼らがあなたたちを排除する時に、また彼らが中傷する(時に)、また彼らがその人間の息子のために悪のようにあなたたちの名前を追放する(時に)、あなたたちは幸いである。

【原訳】23 かの日においてあなたたちは喜べ。そしてあなたたちは歓喜せよ。あなたは見よ。というのもあなたたちの報酬はその天において多いから。というのもこれらの事々に従って、彼らの父たちはその預言者たちにし続けたからだ。

【原訳】24 しかしながら災い、富んでいるあなたたちに。なぜならあなたたちはあなたたちの勧めを受けているからだ。

【原訳】25 災い、今満たされたままのあなたたちに。なぜならあなたたちは飢えるであろうからだ。災い、今笑っているあなたたちに。なぜならあなたたちは嘆くであろうし、またあなたたちは泣くであろうからだ。

【原訳】26 災い、その人間の全てがあなたたちを良く言う時に。というのもこれらの事々に従って彼らの父たちは偽預言者たちにし続けたからだ。

【原訳】27 むしろわたしは聞いているあなたたちに言う。あなたたちはあなたたちの敵たちを愛せ。あなたたちはあなたたちを憎んでいる者たちに良くせよ。

【原訳】28 あなたたちはあなたたちを呪っている者たちを祝せ。あなたたちはあなたたちを中傷している者たちについて祈れ。

【原訳】29 その頬の上にあなたを打っている者に、あなたたちはその別のをもさらせ。そしてあなたの上着を取り上げる者から、下着をも妨げるな。

【原訳】30 あなたに求める者すべてにあなたは与えよ。そしてあなたのものを取り上げる者から求め返すな。

【原訳】31 その人間たちがあなたたちにすることをあなたたちが欲しているように、あなたたちは彼らに同様にせよ。

【原訳】32 そしてもしあなたたちがあなたたちを愛している者たちを愛するならば、それはあなたたちにとって何の恵みであるか。というのもその罪人たちも彼らを愛している者たちを愛しているからだ。

【原訳】33 また、というのも、もしあなたたちがあなたたちに良くしてくれている者たちにあなたたちが良くしたとしても、それはあなたたちにとって何の恵みであるか。その罪人たちも同じことをしている。

【原訳】34 そしてもし、その彼から受け取ることをあなたたちが期待して、あなたたちが貸すならば、それはあなたたちにとって何の恵みであるか。罪人たちも罪人たちに貸す。その結果彼らは同等の諸物を受領する。

【原訳】35 しかしながらあなたたちはあなたたちの敵どもを愛せ。そしてあなたたちは良くせよ。そしてあなたたちは期待しないままで貸せ。そうすればあなたたちの報酬は多いだろう。そしてあなたたちは至高者の息子たちであるだろう。なぜなら彼、彼こそは、その恵みが無い者たちまた悪い者たちの上に親切であるからだ。

【原訳】36 あなたたちは憐れみ深くなれ。あなたたちの父が憐れみ深いように。

【原訳】37 そしてあなたたちは裁くな。そうすればあなたたちは決して裁かれない。そしてあなたたちは断罪するな。そうすればあなたたちは決して断罪されない。あなたたちは放置せよ。そうすればあなたたちは放置されるだろう。

【原訳】38 あなたたちは与えよ。そうすればそれはあなたたちに与えられるだろう。押し入れられたままの、揺さぶられたままの、溢れている良い秤を、彼らはあなたたちの胸の中へと与えるだろう。というのも、あなたたちが量るその秤であなたたちは量られ返されるだろうからだ。

【原訳】39 さて彼は彼らに譬え話をも言った。盲人は盲人を導くことはできない。双方が穴の中へと転落しないだろうか。

【原訳】40 弟子はその師の上にはいない。さて快復された後に全ての者は彼の師のようであるだろう。

【原訳】41 なぜあなたは、一方であなたの兄弟の目におけるおが屑を見て、他方で自身の目におけるその丸太を認識しないのか。

【原訳】42 どのようにしてあなたはあなたの兄弟に言うことができるのか。兄弟よ。わたしがあなたの目の中にあるおが屑を投げることを放置せよ。あなた自身の目の中にある丸太を見ないでいながら。偽善者よ。最初にあなたの目から丸太を投げよ。そうすればそれからあなたはあなたの兄弟の目の中にあるおが屑を投げるためによく見えるだろう。

【原訳】43 というのも、良い木は悪い実をつくり続けず、悪い木もまた良い実をつくり続けないからだ。

【原訳】44 というのも各々の木は自分自身の実によって知られるからだ。というのも諸々の茨から諸々の無花果を彼らは集めないし、藪から諸々の葡萄を彼らは収穫しないからだ。

【原訳】45 その良い人間は心の良い宝から良いものを産出する。そしてその悪い者はその悪からその悪を産出する。というのも心の豊かさから彼の口が話すからだ。

【原訳】46 さてなぜわたしをあなたたちは主よ、主よと呼ぶのか。そしてわたしが言うことをあなたたちは行なっていない。

【原訳】47 わたしに向かって来続けている者、また、わたしの諸々の言葉を聞き続けている者、また、それらを行い続けている者は全て、――わたしはあなたたちに示すだろう――彼は誰に似ているか。

【原訳】48 彼は家を建てている人間に似ている。その彼が穴を掘った。そして彼は掘り下げた。そして彼はその岩の上に土台を置いた。さて洪水が生じた後、その激流がその家に押し寄せた。そしてそれは彼女を揺さぶることができなかった。彼女が良く建てられたままだったことにより。

【原訳】49 さて聞いた後、また行わなかった者は、土台無しにその地の上に家を建てた人間に似ている。その激流が彼女に押し寄せた。そしてすぐに彼女は倒壊した。そしてその家の大いなる廃墟が生じた。

【原訳】1 彼がその民のうち聞いた者たちへの彼の諸々の言述を全うした時に、彼はカファルナウムの中へと入って来た。

【原訳】2 さてとある百人隊長の奴隷が、病を持ち続けているので、まさに果てようとする状態にあった。その彼は彼にとって価値があり続けていたのだが。

【原訳】3 さてそのイエスについて聞いた後、彼は彼に向かってそのユダヤ人たちの長老たちを遣わした。いかにして来て彼が彼の奴隷を救済しうるかを彼に頼みながら。

【原訳】4 さてそのイエスに向かって到達した者たちは彼に熱心に勧め続けた。以下のように言いながら。彼は相応しい。その彼にあなたがこのことを示すだろう。

【原訳】5 というのも彼はわたしたちの民族を愛しているからだ。そして彼、彼こそがその会堂をわたしたちのために建てた。

【原訳】6 さてそのイエスは彼らと一緒に歩き続けていた。さてすでに彼がその家から遠くない距離を持ったとき、その百人隊長は友人を遣わした。彼に言いながら。主よ、あなたは煩らうな。というのも、あなたがわたしの屋根の下に入って来るためには、わたしは相応しくないからだ。

【原訳】7 それだからわたし自身があなたに向かって来ることも適切ではない。むしろあなたは言葉で言え。そうすればわたしの子どもは癒されるだろう。

【原訳】8 というのもわたしも自由の下に整えられている人間であるからだ。わたしの下に兵士たちを持ちながら。そしてわたしがこの男性に言う。あなたは行け。そうすれば彼は行く。そして別の男性に。あなたは来い。そうすれば彼は来る。そしてわたしの奴隷に。このことを行なえ。そうすれば彼は行なう。

【原訳】9 さてこれらの事々を聞いた後、そのイエスは彼のことを驚いた。そして彼に従っている群衆に振り向いた後、彼は言った。わたしはあなたたちに言う。そのイスラエルにおいてもこのように偉大な信をわたしは見出さなかった。

【原訳】10 そしてその家の中へと戻った後、その遣わされた者たちは回復しているその奴隷を見出した。

【原訳】11 そしてそれはその次において生じた。彼はナインと呼ばれ続けている都市の中へと歩いた。そして彼の弟子たちと多くの群衆は彼と一緒に歩き続けた。

【原訳】12 さてその都市の城門に彼が近づいた時に、そしてあなたは見よ、死んだままの者、彼の母親にとってたった一人の息子が運び出され続けていた。そして彼女はやもめであり続けていた。そしてその都市の相当の群衆が彼女と一緒にあり続けていた。

【原訳】13 彼女を見た後、その主は彼女について憐れんだ。そして彼は彼女に言った。あなたは泣くな。

【原訳】14 そして向かって来た後、彼はその棺に触った。さてその担いでいる者たちは立ちどまった。そして彼は言った。若者よ、あなたにわたしは言う。あなたは起こされよ。

【原訳】15 そしてその死者は座った。そして彼は話し始めた。そして彼は彼を彼の母親に与えた。

【原訳】16 さて恐れが全ての者たちを捉えた。そして彼らはその神を崇め続けた。偉大な預言者がわたしたちの中に起こされたと、また、その神は彼の民を顧みたと、言いながら。

【原訳】17 そして彼についてのこの言葉が全ユダヤ、またその周辺の全てにおいて、出て来た。

【原訳】18 そしてヨハネに彼の弟子たちがこれらの全てについて報告した。

【原訳】19 そして彼は彼の弟子たちのうちのとある二人を召した後、そのヨハネはその主に向かって遣わした。言いながら、あなた、あなたこそがその来つつある者か、それとも別の者をわたしたちは期待しているのか。

【原訳】20 さて彼に向かって到着した後、その男性たちは言った。その浸礼者ヨハネはわたしたちをあなたに向かって遣わした、言いながら。あなた、あなたこそがその来つつある者か、それとも別の者をわたしたちは期待しているのか。

【原訳】21 その時間において、彼は病人たちや苦しむ者たちや悪い霊たちのうち多くの者たちを癒した。そして彼は多くの盲人たちに見ることを恵んだ。

【原訳】22 そして応えた後彼は彼らに言った。行った後、あなたたちはヨハネにあなたたちが見たことと聞いたことを報告せよ。盲人たちは見上げている。歩けない者たちが巡回している。ハンセン病患者たちが清くされている。そしてろう者は聞いている。死者は起こされている。貧しい人たちは自分を福音化している。

【原訳】23 そしてわたしにおいて躓かない者は幸いである。

【原訳】24 さてヨハネの死者たちが去った後、ヨハネに関してその群衆たちに向かって言うことを彼は始めた。何を見るためにあなたたちはその荒野の中へと出て来たのか。風によって揺られている葦。

【原訳】25 むしろ何を凝視するためにあなたたちは出て来たのか。柔らかい服においてまとわれたままの人間。あなたは見よ。豪奢かつ贅沢な服において存在し続けている者たちはその諸々の王宮の中にいる。

【原訳】26 むしろあなたたちは何を凝視したのか。預言者。そうだ。わたしはあなたたちに言う。そして預言者以上。

【原訳】27 この男性は彼である。その彼について書かれたままである。あなたは見よ。わたしはわたしの使者をあなたの顔の前に遣わしている。その彼はあなたの前にあなたの道を準備するだろう。

【原訳】28 わたしはあなたたちに言う。女性たちから生まれた者たちの中でヨハネよりも偉大な者は誰もいない。さて、その神の支配の中で最小の者は彼よりも偉大である。

【原訳】29 そしてその聞いた民の全てとその徴税人たちはその神を義とした。ヨハネの浸礼を浸された後に。

【原訳】30 さてそのファリサイ人たちと法律家たちは彼ら自身のためにその神の助言を拒んだ。彼によって浸されなかった後に。

【原訳】31 だからこの種族の人間たちをわたしは何に同一視するだろうか。そして彼らは何と同じであるか。

【原訳】32 彼らは、市場の中に座っている、また相互に以下のことを言い、声掛けをしている小児に似ている。わたしたちはあなたたちのために笛吹いた。そしてあなたたちは踊らなかった。わたしたちは嘆いた。そしてあなたたちは泣かなかった。

【原訳】33 というのもその浸礼者ヨハネは来てしまったからだ。パンも食べないまま、葡萄酒も飲まないまま。そしてあなたたちは言う。彼は悪魔を持っている。

【原訳】34 食べ、また、飲む、その人間の息子は来たままだ。そしてあなたたちは言う。あなたは見よ。人間、大飯喰らい、また大酒飲み、徴税人たちと罪人たちの友。

【原訳】35 そしてその知恵は彼女の子どもたちの全てから義とされた。

【原訳】36 さてそのパリサイ人たちのうちのとある者が、彼が彼と一緒に食べることができるようにと、彼に頼み続けた。そしてそのファリサイ人の家の中へと入った後、彼は横臥した。

【原訳】37 そしてあなたは見よ。その町の中に居続けた、罪ある女性。そしてそのファリサイ人の家の中に彼が横臥しているということを認識した後、香油の石膏を持参した後、

【原訳】38 そして後ろに立った後、彼の両足の傍らで泣きながら、その涙で彼女は彼の両足を濡らし始めた。そして彼女の頭の髪で彼女は拭き続けた。そして彼女は彼の両足に接吻し続けた。そしてその香油で塗り続けた。

【原訳】39 さて彼を呼んだファリサイ人は見た後、彼は彼自身の中で言った。(次のように)言いながら。この男性は、もしも彼が預言者であり続けたならば、彼に触っている女性が誰でありかつ何であるのかを認識し続けうるはずだ。なぜなら彼女は罪あるのだから。

【原訳】40 そして応えた後そのイエスは彼に向かって言った。シモン。わたしはあなたに何事か言うことを持っている。さて、その師よ、あなたは言え。彼は述べた。

【原訳】41 とある貸主に二人の借り手があり続けた。その一人は五百デナリオンを負い続けていた。一方その別の者は五十。

【原訳】42 彼らは支払うためのものを持っていないので、彼は二人共に恵んだ。そこで彼らのうちのどちらが一層彼を愛するだろうか。

【原訳】43 応えた後、シモンは言った。彼がその彼のために一層恵んだということを、わたしは採る。さてその男性は彼に言った。正しくあなたは判断した。

【原訳】44 そしてその女性に向かって振り向いた後、そのシモンに彼は述べ続けた。あなたはこの女性を見ている。わたしはあなたの家の中へと入り来た。足に関する水をわたしのためにあなたは与えなかった。さて彼女、彼女こそはその涙でわたしの両足を濡らした。そして彼女の髪で彼女は拭いた。

【原訳】45 あなたはわたしに接吻を与えなかった。一方彼女、彼女こそはわたしが入り来たときからわたしの足に接吻することを止めなかった。

【原訳】46 油でわたしの頭をあなたは塗らなかった。一方彼女、彼女こそは香油でわたしの両足を塗った。

【原訳】47 それだからわたしはあなたに言う。その彼女の多くの罪々が許されたままの者たちは、彼女は多く愛したということ。一方その彼に少なく許されている者は少なく愛する。

【原訳】48 さて彼は彼女に言った。あなたの諸々の罪は許されたままだ。

【原訳】49 そしてその横臥し続けている者たちは自分たちの中で言うことを始めた。諸々の罪さえ許している、この男性は誰であるか。

【原訳】50 さて彼はその女性に言った。あなたの信があなたを救ったままだ。あなたは平和の中へと歩け。

【原訳】01 私たちが生きているこの地べたで、とうとう成し遂げられた神の思いの丈。多くの人たちが筆を取ってものがたりはじめています。

【原訳】02 私たちのもとにも最初の目撃者たちや、み言葉に捉えてもらった人たちからイエスの福音が届けられました。

【原訳】03 そこでテオフィロさま、私も書いてあなたにお届けするのが最善だと思い至りました。開始から完成までを順序立てて書きました。つぶさにイエスの旅を辿りながら。

【原訳】04 これを読んでいただいたら、あなたが受け取ってこられた言葉たちが生き生きと立ち現れてくることでしょう。受けたものの確かさに包まれ、心を高くあげていただきとうございます。

【原訳】05 ユダヤの王ヘロデの時代、ザカリアという名の祭司がいた。組分けはアビア組であった。妻の名はエリサベト、アロンの家系に連なる。

【原訳】06 二人とも神のみ前に正しくあり、戒律と定めを守ることにおいて過ちなく歩み続けた。

【原訳】07 ただ、二人の間には子どもがいない。エリサベトがどれほど願い続けていることか…。一年、一年、歳を重ね続けるままに、夫妻の日々は暮れていった。

【原訳】08 さて、事が生じた。当番に従ってザカリアが神殿の務めをする順番が巡ってきた際のことだ。

【原訳】09 祭司職の習わしでくじを引くと、神のみ前に香をたく役目が当たった。彼は主の聖所へと入っていく。

【原訳】10 香りの供えの時が来た。人々は皆、ひとかたまりになって外で祈りをささげ続ける。

【原訳】11 ザカリアは神のみ前に香をたく。すると彼は見たのだ。香りの祭壇のまさにその右に、主の天使が立っているではないか。

【原訳】12 ザカリアは混乱し、恐怖が雪崩のように彼を飲み込んだ。

【原訳】13 天使は彼に呼びかける。「ザカリア、恐れるな。君の祈願は聞き入れられた。君の妻エリサベトは息子を産むだろう。そして君はその子の名をこう呼ぶのだ。「ヨハネ」と。

【原訳】14 君は喜び、小羊のように飛び跳ねる。多くの人たちが彼の誕生を喜ぶ。

【原訳】15 なぜならば、彼は主のみ前に大切な者としてあり続けるからだ。彼は葡萄酒と強いお酒を決して飲まない。母の胎に宿っているときから、彼は聖霊に満たされている。

【原訳】16 彼はイスラエルの子らを神のもとに立ち帰らせる。

【原訳】17 彼こそが主のみ前に歩む露払いの者として来る。エリヤの霊と力でもって、父たちの心を子どもたちに向き直させるために。また、顔を背け続けている者たちのかたくなさを神の義でもって砕き、正しく歩む心を持たせるために。彼は準備された者たちを、主のために整える。

【原訳】18 ザカリアは天使に向かい言うのであった。「いったいどうやって私はそれが本当であると知り得ましょうか。老人とはこの私のこと。そして我が妻の人生の日々もたそがれているというのに…」。

【原訳】19 これを受けて天使は言う。「このわたしこそ、神のみ前に立つガブリエル。君と向かい合い、君に語りかけるため、喜びの訪れを告げ知らせるためにわたしは遣わされた。

【原訳】20 見よ、これらのことが起こる日まで、君の口は静まる。話すことはできなくなるだろう。君がわたしの言葉を信じなかったからだ。もっとも、わたしが語った言葉も、静まった君の口も、時の到来に向かって満たされていくのだがね」。

【原訳】21 さて、神殿の外では人々がザカリアを待ち続けていた。聖所の中で彼が戸惑っていることに皆、ザワザワし始めている。

【原訳】22 ようやくのことザカリアが出て来た。しかし語ることができないでいるではないか。人々は悟った。彼は聖所の中で大いなる幻を見たのだと。ザカリアもまた、人々に身振り手振りで伝えるのだが、口はきけないままである。

【原訳】23 やがて、神殿での務めの期間が終わったので、ザカリアは自分の家に帰っていった。

【原訳】24 さて、その後、妻エリサベトは身籠り、5ヶ月の間引きこもった。こう口ずさみながら…。

【原訳】25 「私を心に留め給う主、屈辱を取り去り給う主、我、主がなしてくださるままに…」

【原訳】26 その6ヶ月目、天使ガブリエルは神からナザレというガリラヤの町へ遣わされた。

【原訳】27 ダビデの家系につながるヨセフという男性の婚約者のもとへ遣わされたのである。乙女の名はマリア。

【原訳】28 天使は家に入ると、彼女に語りかける。「喜びたまえ、恵まれている君!主が君と共に!」

【原訳】29 マリアはこの呼びかけにうろたえた。「いったい、この挨拶は何なのか?」、グルグルと自分の中で一人問答が続く。

【原訳】30 不安顔のマリアに天使は語りかけた。「恐れるな、マリア。君は神のもとに恵みを見つけ出したのだから。

【原訳】31 君は身籠り、男の子を産むだろう。そして君はその子にこう呼びかけるのだ、「イエス」と。

【原訳】32 この人こそ大いなる者となり、いと高き方の子と呼ばれる。神は彼に父祖ダビデの王座をお与えになる。

【原訳】33 彼はヤコブの家をとこしえに治め、その支配に終着駅はない。

【原訳】34 マリアは天使に向けて言う。「どうしてそのようなことがあり得ましょうか。私は男の人を知りませんのに」。

【原訳】35 天使は応えてマリアに語りかけた。「聖霊が君の上に臨み来る。いと高きお方の力が、君をすっぽりと覆い給う。だから君の胎に宿りし子は聖なる者、神の子と呼ばれるのだよ。

【原訳】36 それに、見てごらん、君の親戚のエリサベトを。彼女も年老いている中で男の子を身籠っている。もう6ヶ月だ。屈辱を抱え持たされ続けた彼女がだ。

【原訳】37 神のもと、不可能なことは何一つないのだよ。

【原訳】38 マリアは応えた。「ごらんください、私は主のしもべです。あなたが語ってくださったお言葉の通りに、私になりますように」。天使は彼女のもとから去った。

【原訳】39 マリアは意を決して立ち上がる。野を越え山を越え、マリアは山里の道をユダの町へ急ぐのであった。

【原訳】40 そして彼女は今、家の戸口に立つ。ザカリアの家だ。中へ招き入れられたマリアは、エリサベトに挨拶した。

【原訳】41 実にその時!エリサベトの耳がマリアの挨拶を聞いたその時、エリサベトの胎の中で赤ん坊が小羊のように跳ね回ったのだ。エリサベトは聖霊に満たされ、喜びに溢れて叫んだ。

【原訳】42 「ああ!あなたは、みんなの祝福代表!ああ!あなたのお腹の子は、みんなへの祝福そのもの!

【原訳】43 ああ!我が主の母君が、私のもとを訪ねてきてくださるなんて!

【原訳】44 ご覧になって!あなたのご挨拶の声を聞いて、私のお腹の赤ん坊は喜び弾けて、飛び跳ねたのです!

【原訳】45 ああ、幸い!主からいただいた言葉はすべてその通りに実現すると信じた者は!

【原訳】46 マリアは神への誉め歌で応えた。「私の魂は主を崇め、

【原訳】47 私の霊は救い主を喜びます。

【原訳】48 どん底の私に、神は眼差しを注いでくださったのだから。ご覧ください、今から後、すべての民は私を幸せの種にしてひろがり満ちるでしょう。

【原訳】49 力ある方、聖なる御名が、私に大いなることをしてくださったのですから。

【原訳】50 その憐れみは、神を畏れる者たちへ水路の水となって注がれていきます。

【原訳】51 ああ、神のみ腕の力よ!傲慢に振る舞う者らを散らし、

【原訳】52 権力者らを王座から引き降ろした!どん底の者らを高く引き上げ、

【原訳】53 飢える者らを心尽くしのもてなしで満たしてくださった!そして富める者らを空手で追い出したのだ!

【原訳】54 神は、その僕イスラエルを養い育まれる。常に憐れみを思い起こすために。

【原訳】55 神が私たちの父祖に語られた通り、アブラハムとその子孫たちに向かって、憐れみをとこしえに!」

【原訳】56 マリアはエリサベトのもとに3ヶ月滞在し、自分の家に帰って行った。

【原訳】57 さて、時が満たされエリサベトは男の子を産んだ。

【原訳】58 隣近所の人々や親戚たちが集う。みんなは主がエリサベトへ憐れみを溢れんばかりに増やされたことを聞いて、彼女と共に喜び合った。

【原訳】59 そして八日目だ。赤ん坊に割礼を施すために人々は集う。赤ん坊を囲みながら人々は「この子はザカリアだね」と呼び交わすのだった。父の名を取るのが相応しいと。

【原訳】60 すると、母はこう言うではないか。「いいえ、この子はヨハネと呼ばれるのです」。

【原訳】61 聞くや否や、みんな一斉に母に言う。「あなたの親戚にヨハネなんて名前の者は誰一人いないじゃないか」

【原訳】62 人々は赤ん坊の父親の方に向き直る。「やれやれ、母親ときたら…」とジェスチャーをまじえ笑いながら尋ねるのだ。「父親のあんたの望む名前はなんだね?」と。

【原訳】63 ザカリアは書き板を持ってきてもらう。そして書いた。曰く「この子の名前はヨハネ」。一同、驚いたのなんの!

【原訳】64 するとその時、一瞬にしてザカリアの口と舌がほどかれて、神を讃美し始めたではないか!

【原訳】65 すべての人々に畏れが生じた。そしてユダヤの山里中、この話題でもちきりになるのだった。

【原訳】66 この一部始終を聞いた者は皆、心の中に一つの思いが溢れ出る。「いったいこの子は、何者になるのだろうか…!」。主の手が絶えずその子に添えられているのだから。

【原訳】67 父ザカリアは聖霊に満たされ、こう預言した。

【原訳】68 「イスラエルの神はほめたたえられよ。主はその民を訪れられ、贖いを果たされた。

【原訳】69 主は我らのために、僕ダビデの家から救いの角を挙げられた。

【原訳】70 とこしえより聖なる預言者たちの口によって、主ご自身が語られた通りに。

【原訳】71 主は我らの敵ども、我らを憎む者どもの手から、ことごとく救い出してくださる。

【原訳】72 我らの父祖たちを憐れみ、ご自身の聖なる契約を思い起こすために。

【原訳】73 その契約とは、主が我らの父アブラハムに誓われた恵の誓約。

【原訳】74 故に我らは、敵どもの手から救い出された者として、恐れることなく主に仕える。

【原訳】75 我が命の初めから終わりまで、主の御前にて清くひたむきに。

【原訳】76 幼な子よ、君はいと高き方の預言者と呼ばれるだろう。君は主に先立ち、主の道を整えるために歩み行くからだ。

【原訳】77 そして主の民に、罪の赦しにおいて救いの信実を与える。

【原訳】78 これはひとえに、我らの神の我らに対するひたむきな共感共苦による。この憐れみにおいて、高い所から曙の光が我らを訪れるであろう。

【原訳】79 その光は闇と死の陰にうずくまっている者らを照らし、我らの歩みを平和の道に向かって導き行く。」

【原訳】80 幼な子は、聖霊によって力づけられつつ成長していった。彼はイスラエルの人々の前に自らを現すときまで、荒れ野に身を置いた。

【原訳】01 さて、その頃皇帝アウグストゥスから全世界の住民に登録をさせよという勅令が出た。

【原訳】02 この住民登録はキリニウスがシリアの総督であったときに行われた最初のものである。

【原訳】03 人々は皆、登録するために各自、自分の町へと旅立つ。

【原訳】04 ヨセフも、ガリラヤのナザレからユダヤのベツレヘムと呼ばれるダビデの町へ上って行った。彼がダビデの家系に属しているからだ。

【原訳】05 彼と婚約し、赤ん坊を身ごもっているマリアも、ヨセフと一緒に旅立った。

【原訳】06 ところが、二人がベツレヘムにいるうちに、マリアが産気づいたのだ。

【原訳】07 彼女は初めての子を産み、その男の子を布でくるんで、飼い葉桶の中に寝かせた。宿屋には彼らのために居場所はなかったから。

【原訳】08 さて、その一帯で羊飼いたちが野宿をしながら羊の群れのために寝ずの番をしていた。

【原訳】09 すると主の天使が彼らに接近し、目の前にすっくと立つではないか。主の栄光が羊飼いたちをすっぽり包み、まばゆく照らす。羊飼いたちはすっかり仰天し、地べたにへたり込んでしまった。

【原訳】10 天使は彼らに語りかける。「恐れなくてよい。見よ、わたしは君たちに大いなる喜びを告げよう。それは、すべての民への良き知らせなのだ。

【原訳】11 君たちのために、今日、ダビデの町で救い主がお生まれになった。

【原訳】12 君たちは、布にくるまれ飼い葉桶に寝かされている赤ん坊を見出すだろう。それこそが君たちのためのしるしである。

【原訳】13 すると突然、天の軍勢が現れ、福音を告げた天使とひと群れになって、神をほめ歌うのだ。

【原訳】14 「栄光は、いと高きところにいます神に!そして地には平和、神の喜びである人々の間に!」

【原訳】15 天使たちは羊飼いから離れ、天へ去った。羊飼いたちは顔と顔を合わせながら、口々に言い交わすのだった。「おい、ベツレヘムまで行ってみようじゃないか。この目で見ようじゃないか。主が俺たちに知らせてくださったことすべてを!」

【原訳】16 彼らの足は急ぐ、急ぐ、ベツレヘムの町へ。そしてついに見出したのだ。マリア、ヨセフ、そして飼い葉桶の中に寝かされている赤ん坊。

【原訳】17 眼前の光景を焼きつけた羊飼いたちは、この赤ん坊について天使が語ってくれたことの一切を人々に知らせまわった。

【原訳】18 ことの一切を聞いた人は、ただただ驚くばかりだ。

【原訳】19 しかしマリアは、驚き、一人問答しつつも、羊飼いたちから伝えられたすべての言葉を心の中に納めていった。

【原訳】20 羊飼いたちは、見聞きしたこと何もかもが天使から告げられた通りだったゆえに、神を崇めほめ歌いつつ、野山へと戻っていくのだった。

【原訳】21 さて、幼な子に割礼を施す八日目。幼な子の名はイエスとつけられた。その名は、幼な子が胎に宿される前に、天使によってつけられた名である。

【原訳】22 モーセの律法に従った清めの期間が終わり、両親はイエスを主にささげるため、エルサレムへ上っていった。

【原訳】23 律法に次のように書かれているからだ。「初めての男児は皆、主にとって聖なる子と呼ばれるだろう」。

【原訳】24 都への上京は、律法に従って犠牲の供物をするためでもある。彼らの場合、ひとつがいの山鳩、もしくは二羽の鳩の雛だ。

【原訳】25 すると見よ。エルサレムにシメオンという名の人がいる。この人は義しく誠実で、イスラエルが慰められることをひたむきに待ち望んでいた。聖霊が彼の上に臨んでおり、

【原訳】26 彼はお告げを受けていたのだ。救い主を見るまでは、君は死なないと。

【原訳】27 シメオンは聖霊に導かれ神殿境内に入って来た。するとそこへ幼な子イエスの両親が律法に従って供物をささげようと、イエスを抱いて今まさに入って来るではないか。

【原訳】28 シメオンは彼らに駆け寄り、自ら両手を差し出して幼な子を胸に抱き、神を祝福して語り始めた。

【原訳】29 主よ、今こそあなたはお言葉通り、この僕を平安に去らせてくださいます。

【原訳】30 なぜなら私のこの両目は、あなたの救いを見たからです。

【原訳】31 これは、すべての民のためにあなたが整えてくださった救い!

【原訳】32 異邦人たちを照らす啓示の光!あなたの民イスラエルの栄光!」

【原訳】33 両親は彼の口から溢れ出る言葉の一つひとつに、ただ驚くばかりだ。

【原訳】34 するとシメオンは、両親を祝福し、母マリアに向き直って語りかける。「ご覧なさい。この子はイスラエルにおいて多くの人を倒れさせ、かつ起き上がらせ、人々から激しくバッシングされ続けるしるしとして引き据えられているのですよ。

【原訳】35 母君、あなたご自身も、魂を剣で刺し貫かれるでしょう。そうやって、多くの人の心の内に覆い隠されていたものが、顕にされるのです。

【原訳】36 一方、アシェル族の出で、ファヌエルの娘、預言者アンナもエルサレムにいた。彼女はすっかり年老いている。嫁いで7年、夫と暮らしたが寡婦となり、

【原訳】37 今や84歳になっているのだ。彼女は決して神殿から離れない。昼も夜も、断食と祈りで神に仕えている。

【原訳】38 しかしまさにその彼女のための時が来たのだ。彼女は神の前に歩み出て讃美する。そして、エルサレムの贖いを待ち望み続けているすべての人たちに、幼な子のことを語り続けるのだった。

【原訳】39 親子は律法に定められたすべてのことをやり遂げたので、ガリラヤにある自分たちの町ナザレへ帰っていった。

【原訳】40 幼な子は聖霊に力づけられながら、知恵に満ちて成長していった。神の恵みが絶えず彼にあり続けた。

【原訳】41 ところで、彼の両親は過越祭には毎年エルサレムへ上っていった。

【原訳】42 イエスが12歳になった時のことだ。やはり祭りの慣習に従って家族皆で都に上った。

【原訳】43 祭りの期間が終わって、帰路につく。しかし少年イエスはエルサレムに留まったままである。両親はそれを知らないでいる。

【原訳】44 彼らは思い込んでいるのだ。イエスは帰路の人々の一団の中にいるものと…。1日分の道を歩いてようやくイエスがいないことに気づく。両親は親戚や知人の中を探し回るが、イエスを見つけることができない。

【原訳】45 二人はとうとうエルサレムまで戻って、イエスを探し続けた。

【原訳】46 三日目、ついに両親はイエスを見つけた。神殿境内で、イエスは聖書学者たちの真ん中に座り、話を聞いたり質問したりしているではないか。

【原訳】47 そしてイエスの言葉を聞いた者たち全員が、彼の秀でた賢さに感嘆の声をあげているではないか。

【原訳】48 その光景に、両親は仰天するしかないのだが、我に帰った母マリアはイエスに向かって声を張り上げる。「なんてことを!見てごらん、父さんも母さんもどれだけ心配したことか!どれだけ探し回ったことか!」

【原訳】49 するとイエスは、こともなげに言うのだ。「ぼくを探したですって?どういうこと?ぼくが父の家にいるべきだということ、知らなかったの?」。

【原訳】50 両親はイエスの言葉をまったく理解できなかった。

【原訳】51 イエスは両親と一緒に帰路につき、ナザレへと帰って行った。そこで両親に従って暮らした。しかし母マリアはイエスが語った言葉すべてを心に納め、考え続けるのだった。

【原訳】52 イエスは、知恵も背丈もすくすく成長し、神からも人々からも恵みに恵みを受けながら、その生を歩み続けた。

【原訳】01 さて、皇帝ティベリウスの治世第15年の時。それはポンティオ・ピラトがユダヤの総督、ヘロデがガリラヤの領主、また彼の兄弟フィリポがイトラヤ及びトラコン地方の領主、リサニアがアビレネの領主、

【原訳】02 そしてアンナスとカイアファが大祭司の時である。神の言葉が荒れ野でザカリアの子ヨハネに臨んだ。

【原訳】03 そこでヨハネはヨルダン川流域一帯へ出向いて行く。罪の赦しに向かって、悔い改めのバプテスマを宣べ伝えまわるのだった。

【原訳】04 これは預言者イザヤの書に書かれてある通りだ。「荒れ野において叫ぶ者の声がする。『主の道を整えよ!道筋をまっすぐにせよ!

【原訳】05 あらゆる谷は埋められ、すべての山すべての丘は低くされるだろう。曲がったものはことごとまっすぐに、でこぼこの悪路はすこぶる平らな道になるだろう。

【原訳】06 そして、生きとし生けるものすべてがその目で見るのだ、神の救いを!」

【原訳】07 ヨハネは、バプテスマを授けてもらおうとやって来た群衆に向かって告げるのだった。「蝮の子らよ!いったい誰がお前たちに教えたのか?到来しつつある神の怒りから逃れるようにと。

【原訳】08 それならば、悔い改めにふさわしい実を今、ここで結べ!よいか、私たちの父祖はアブラハムだなど、ゆめゆめ思うなよ。私はお前たちに言う。神はお前の足元に転がっているその石ころからでもアブラハムの子らを起こすことがおできになる。

【原訳】09 斧はもう木の根元に置かれている。良い実を結ばぬ木は切り倒されるのだ。そして火の中に投げ込まれるのだ。

【原訳】10 ヨハネの言葉を聞き、群衆たちは口々にヨハネに向かって叫び尋ねる。「では、私たちはいったいどうしたらいいのですか?」

【原訳】11 そこでヨハネは応えて言う。「下着を二枚持っている者は、持っていない者に分け与えろ!食べ物を持っている者も同じようにせよ!」

【原訳】12 バプテスマを受けようとやって来た取税人たちが、ヨハネに向かって叫び尋ねる。「先生、私たちは何をしたらいいのでしょうか?」

【原訳】13 ヨハネは彼らに向かって言う。「決められている額以上に税を取り立てるな!」

【原訳】14 兵士たちもヨハネに向かって叫び尋ねる。「この私どもは何をしたらいいでしょう?」。ヨハネは応えて言う。「なんびとからも金をゆすりとるな!不当な取り立てをするな!お前の給料で満足せよ!」

【原訳】15 民は救いを待ち望んでいる。それで誰もが心の内でヨハネについて思い巡らすのだった。「もしかすると、彼こそキリストかもしれない…」と。

【原訳】16 そこでヨハネは皆に応えて言う。「私は水で君たちにバプテスマを施すが、この私よりもはるかに力ある方が来られる。私はそのお方の履き物の紐をほどく値打ちも無い。そのお方は君たちに聖霊と火によってバプテスマを施されるであろう。

【原訳】17 そのお方は手の中に箕を持っておられる。ご自身の脱穀場を隅々まで掃き清め、ご自身の麦を倉に集めるために。一方もみがらはというと、そのお方の手によって消えることなき火で焼き尽くされるのだ」。

【原訳】18 このようにヨハネは、様々なことを明確に応え、かつ呼びかけ、民に福音を宣べ伝え続けるのだった。

【原訳】19 一方で、領主ヘロデは兄弟の妻ヘロディアを自分の妻にしたこと、また彼が行なったあらゆる悪事について、ヨハネから糾弾されていた。

【原訳】20 そこでヘロデはヨハネを捕らえ、牢獄に閉じ込めた。こうしてヘロデはこれまでのあらゆる悪事の上にまたしても悪を加えたのだ。

【原訳】21 さて、事が生じた。すべての民がバプテスマを施されている。そこへイエスが来られ、バプテスマをお受けになり、祈っておられる。まさにその時、天が開かれたのだ。

【原訳】22 そして聖霊が鳩のような姿形でイエスの上に降った。その時、天からの声が聞こえたのだ。「あなたはわたしの愛する子。わたしはあなたにあって喜び満ちた」。

【原訳】23 イエスが宣教を開始なさったのは、およそ30歳の時である。イエスはヨセフの子と思われていた。そのヨセフはエリの子である。さらに遡っていくと…。

【原訳】24 マタト、レビ、メルキ、ヤナイ、ヨセフ、

【原訳】25 マタティア、アモス、ナウム、エスリ、ナガイ、

【原訳】26 マハト、マタティア、セメイン、ヨセク、ヨダ、

【原訳】27 ヨハナン、レサ、ゼルバベル、シャルティエル、ネリ、

【原訳】28 メルキ、アディ、コサム、エルマダム、エル、

【原訳】29 ヨシュア、エリエゼル、ヨリム、マタト、レビ、

【原訳】30 シメオン、ユダ、ヨセフ、ヨナム、エリアキム、

【原訳】31 メレア、メンナ、マタタ、ナタン、ダビデ、

【原訳】32 エッサイ、オベド、ボアズ、サラ、ナフション、

【原訳】33 アミナダブ、アドミン、アルニ、ヘツロン、ペレツ、ユダ、

【原訳】34 ヤコブ、イサク、アブラハム、テラ、ナホル、

【原訳】35 セルグ、レウ、ペレグ、エベル、シェラ、

【原訳】36 カイナム、アルパクシャド、セム、ノア、レメク、

【原訳】37 メトシェラ、エノク、イエレド、マハラルエル、ケナン、

【原訳】38 エノシュ、セト、アダム、そして神である。

【原訳】01 イエスは聖霊に満ちてヨルダンから戻られた。すると聖霊によって荒れ野へと導かれ、

【原訳】02 悪魔によって四十日間に渡って誘惑され続けるのだった。イエスはその間何も食べなかった。イエスは飢えた。

【原訳】03 そこで悪魔はイエスに囁く。「もしお前が神の子ならば、この石ころに『パンになれ』と命じたらどうだ?」

【原訳】04 イエスは答える。「『人はパンのみで生きるのではない』と書かれている」。

【原訳】05 すると悪魔はイエスを空高く連れ昇った。全世界のあらゆる王国を瞬く間に見せ、

【原訳】06 イエスに囁く。「私はお前にこれらすべての領土と繁栄とを与えてやろう。私はその権能を渡されているのだ。誰であれ、私が望む者にすべて与える。

【原訳】07 それゆえもしお前が、今ここで、私にひれ伏すならば、すべてはお前のものになるのだがね」。

【原訳】08 イエスは答えて悪魔に言う。「こう書かれている。『あなたは、あなたの神、主を礼拝するだろう。あなたは主にのみ、仕えるであろう』」

【原訳】09 すると悪魔は、イエスを都エルサレムへと引き連れ行き、神殿の尖塔の上に立たせた。そして囁く。「もしお前が神の子ならば、今、ここから身を投げてみせろ。

【原訳】10 と言うのも、こう書かれているからだ。『神はあなたのために御使いたちに命じるだろう。あなたを守れと』。

【原訳】11 また、こうも書かれている。『御使たちはあなたを両手で受け止めるだろう。あなたがその足を石にぶっつけることのないように』と。」

【原訳】12 イエスは答えて言う。「こう言われている。『あなたはあなたの神、主を試すことを決してしない』と。」

【原訳】13 悪魔はあらゆる誘惑を仕掛け終えた後、時来たるまでイエスから離れて行った。

【原訳】14 イエスは聖霊の力に満たされ、ガリラヤに戻られた。イエスの評判はガリラヤ中に広がっていった。

【原訳】15 イエスは会堂で教え続ける。すべての人々からの賞賛を受けながら。

【原訳】16 イエスは生まれ育ったナザレにやって来た。習慣通りに安息日に会堂へ入り、聖書を朗読するために立ち上がる。

【原訳】17 預言者イザヤの書が渡された。イエスは書を開く。すると一つの箇所に目が留まった。

【原訳】18 こう書かれている。「主の霊が私の上に臨む。主は私に油を注がれた。貧しい人に福音を伝えるために。主は私をお遣わしになった。捕らわれている者に解放を、目が閉ざされている者に目が開かれることを告げ知らせるために。虐待されている者たちを自由にするために。

【原訳】19 主の恵みの年の明け初めを告知するために。」

【原訳】20 イエスは書を巻き納め、係の者に返し、席につかれた。会堂にいる者皆、イエスに釘付けだ。

【原訳】21 イエスは人々を見渡し語り始める。「この聖書の言葉は、今日、君たちが耳にした時、成就した!」

【原訳】22 人々は皆、イエスを誉め称えた。その口からほとばしりでる人を惹きつけてやまない言葉に仰天した。しかし口々にこう言い交わすのだった。「なあ、こいつは、あのヨセフの息子だろ?」

【原訳】23 イエスはざわつく人々に言う。「君たちはきっとこの諺を持ち出したいのだろう。『医者よ、あなた自身を治せ』。そして私にこう言いたいのだろう。『カファルナウムであなたが行なったことを俺たちは聞いている。それを今、お前はここ、お前の故郷でこそやってみせるべきだ』と。

【原訳】24 さて、イエスは告げる。「アーメン、わたしは君たちに言う。自分の故郷で受け入れられる預言者は一人もいないのだ。

【原訳】25 ありのままを君たちに言おう。エリヤの時代、イスラエルには多くの寡婦がいた。三年六ヶ月の間、天が閉ざされ全地が大飢饉に襲われたとき、

【原訳】26 エリヤはイスラエルの寡婦の一人にも遣わされることはなかった。ただ一人、シドンのサレプタの寡婦のもとだけに遣わされたのだ。

【原訳】27 また、預言者エリシャの時代、イスラエルには規定の病に苦しむ多くの人々がいた。しかしイスラエルの誰一人、清められることはなかった。ただ一人、シリア人ナアマンだけが清められたのだ」

【原訳】28 このイエスの話を聞いて、会堂にいる者全員が激しく怒り、

【原訳】29 総立ちになって、イエスを街の外へと追い出す。そして、彼らの街が建てられている山の崖まで連れて行った。イエスを崖から突き落とすために。

【原訳】30 しかしイエスは、彼らの間を通り抜けて立ち去られるのだった。

【原訳】31 イエスはガリラヤの町カファルナウムに下って行った。そして安息日には人々を教え続けるのだった。

【原訳】32 人々はイエスの教えに仰天し続けた。と言うのも、イエスの言葉には権威があったからである。

【原訳】33 とある会堂、悪霊に取り憑かれた人がいた。彼は大声で叫ぶのだ。

【原訳】34 「おい!俺たちと何の関係があると言うのだ、ナザレ人イエスよ!お前、俺たちを滅ぼしに来たのか?俺はお前が何者か知っているぞ。神の聖者様!」。

【原訳】35 イエスは叱りつける。「黙れ!この人から出て行け!」。すると悪霊は、その人を人々の真ん中に投げ倒し、かつ傷一つ負わせる事なくその人から出て行ったのだ。

【原訳】36 人々は皆仰天し、口々に言い合う。「この言葉はいったい何だ?!」「権威だ!」「力だ!」「言葉で命じると悪霊は出て行った!」

【原訳】37 イエスの噂は周辺一帯にくまなく広まり続ける。

【原訳】38 さて、イエスは立ち上がり、会堂を出てシモンの家へと入っていく。家の中ではシモンの義母がひどい熱で苦しみ喘いでいた。人々はイエスに助けを乞うた。

【原訳】39 イエスは彼女の枕辺に立ち、熱を叱りつける。するとみるみる熱は下がっていき、彼女は立ち上がるではないか。台所に立ち、皆のために給仕し始めたのだ。

【原訳】40 陽が沈む頃には、様々な病で苦しんでいる者が家族や友人によってイエスのもとへと連れて来られた。イエスはその一人ひとりに手を当てる。一人ひとりの痛みに触れる。一人も取りこぼすことなく癒していくのだ。

【原訳】41 悪霊たちも「お前の正体は神の息子!」と叫びながら出て行く。イエスは叱り飛ばし、悪霊が語り出すことを許さない。悪霊たちはイエスがキリストであることを知っていたから。

【原訳】42 朝になった。イエスは一人で出かける。人里離れた寂しい場所へ。群衆はイエスを探し回り、ついに見つけると、しきりに懇願するのだった。「私らの村から決して立ち去らないでください」と。

【原訳】43 イエスは彼らに言う。「他の町々、他の村々でも、わたしは神の国の福音を知らせねばなりません。そのためにこそわたしは遣わされたのだから」。

【原訳】44 イエスはユダヤの諸会堂に足を運びながら、宣教し続けるのだった。

【原訳】01 イエスがゲネサレト湖の岸辺に立っていると、大勢の人たちが神の言葉を聞きたくてイエスのもとへ押し寄せて来た。

【原訳】02 イエスは岸辺につけてある二艘の小舟に目を留める。持ち主の漁師たちは陸(おか)にあがり、網を洗っていた。

【原訳】03 そこでイエスは一艘の小舟に乗り込み、その持ち主であるシモンに頼んだ。「岸から少しだけ漕ぎ出してくれないか」。イエスは小舟に腰を下ろして、舟から岸辺の人々に向かって教え始めた。

【原訳】04 さて、話し終えるとイエスがシモンに言う。「沖に漕ぎ出して網をおろしてみなさい。漁をせよ!」。

【原訳】05 シモンは答える。「先生、俺たちは一晩中苦労したが、ボウズ、一匹もとれやしませんでしたよ。しかしまぁ、先生のお言葉ですからね、よございます。網、下ろしましょう」。

【原訳】06 漁師たちはイエスの言う通りに網を打つ。すると、どうだ。彼らの打った網はおびただしい魚の群れを囲い込んだではないか。網はもう破れんばかりだ。

【原訳】07 漁師たちは慌ててもう一艘の小舟の仲間に向かって合図する。「こっちに来てくれ。助けてくれ」。仲間の小舟が駆けつける。両方の小舟ともたちまち魚で満杯、傾き沈み出すほどだ!

【原訳】08 この状況にシモンペトロはイエスの膝もとにひれ伏し叫んだ。「主よ!俺から離れてください!俺は罪深い男なんだ…!」

【原訳】09 考えられない大漁に、シモンも仲間たちもすっかり肝を潰し、我を無くした。

【原訳】10 ゼベダイの息子のヤコブとヨハネも、シモンと同じさまだ。するとイエスがシモンに語りかける。「恐れてはならない。今から君は、人間を生け捕る漁師になるのだ」。

【原訳】11 彼らは小舟を陸(おか)にあげ、一切を捨ててイエスに従った。

【原訳】12 イエスがとある町に滞在されたときのこと。見よ、全身重い皮膚病で苦しんでいる男がいる。彼は額を地べたにくっつけてイエスにひれ伏し、懇願する。「主よ、もしあなたが望んでくださいますなら、あなたはこの私を清くすることがおできになります…!」。

【原訳】13 イエスはしゃがみ込みその人を抱き起こす。そして言う。「もちろんわたしは願うとも!君が清められるように!願うとも!」。語りかけながら彼の肩や背中をさするのだ。するとどうだ、たちまち重い皮膚病は彼から去った。

【原訳】14 イエスは誰にも言わないようにと、彼に命じた。そしてこう指示を出す。「ただ祭司のところへ行って、君の体を見せなさい。そして君の清めのためにささげ物をしなさい。モーセが命じた通りのささげ物をするんだ。彼らへの証のために」。

【原訳】15 イエスの評判は広まる一方だ。たくさんの人々が続々とイエスのもとへ集まって来る。ある者はイエスの話を聞きたくて。ある者は病気を癒してほしくて。

【原訳】16 だがイエスは荒れ野へ退いて行った。そして祈るのだった。

【原訳】17 ある日、イエスは教えておられた。そこにはファリサイ人たちと律法の教師たちもいた。彼らはガリラヤ、ユダヤのあらゆる村々、そしてエルサレムから来ているのだ。主の力がイエスに臨み、癒しが起こされていた。

【原訳】18 するとそこへ、男たちが一人の体の不自由な者を寝台の上に乗せ担いでやって来る。男たちはその病人をなんとかイエスの前に運んでやろうと頑張っていた。

【原訳】19 しかしあまりに大勢の人間でごった返しているために、病人をイエスのもとへ運び込むすべがない。そこで彼らは屋根に登る。なんと屋根の瓦を剥いで、その間から寝台ごと病人をイエスの真ん前へ吊り降ろしてみせたのだ。

【原訳】20 イエスは彼らの信仰を見て言う。「人よ、君の罪は赦された!」。

【原訳】21 律法学者たちとファリサイ人たちは心の内につぶやき始めた。「神を冒涜するこいつは、いったい何者だ?神以外に誰が罪を赦すことができようか!」

【原訳】22 イエスは彼らの腹の中(うち)を知り、彼らに答えて言う。「お前たち、何を心の中で考えているのか?

【原訳】23 『あなたの罪は赦された』と言うのと、『立ち上がれ、そして歩け』と言うのとでは、どっちが容易いか?

【原訳】24 人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、お前たちが知るために!」。こう言ってイエスは体が不自由なその人に言うのだった。「わたしは君に言う!立ち上がれ!そして君の寝台を担いで、君の家に帰れ!」。

【原訳】25 すると、どうだ。彼は人々の目の前で立ち上がり、自分が今までずっと横たわってきた寝台を担ぎ上げ、神を賛美しながら自分の家に向かって歩いて行ったのだ。

【原訳】26 すべての者が驚愕した。恐れに満たされ神を誉めたたえ、口々に言い交わす。「今日、俺たちは度肝を抜かれる光景を目撃したぞ!」と。

【原訳】27 この後、イエスは滞在先を出発した。レビという名の取税人が取税所に座っているのをごらんになると、イエスは呼びかける。「おい、わたしについて来い!」。

【原訳】28 彼は一切を打ち捨てて立ち上がり、イエスに従ったのだ。

【原訳】29 レビは自分の家にイエスを招き、大宴会を催した。取税人仲間はもちろんのこと、そこらじゅうの連中だれもかれもが宴会にやって来た。イエスは皆と共なる食卓につき、身を横たえる。

【原訳】30 その光景にファリサイ人たちや律法学者たちは、イエスの弟子らに向けてぶつぶつ文句を言い連ねるのだ。「おい、なぜお前たちは取税人ども罪人どもと一緒に飲み食いするのか!」。

【原訳】31 イエスが彼らに向かって答える。「健やかな者に医者は要らないよな。医者が要るのは病人だ。

【原訳】32 わたしは正しい者を招くために来たのではない。わたしが来たのは罪人を招くため、身を翻させるために来たのだよ」。

【原訳】33 すると彼らはイエスに対して言った。「ヨハネの弟子たちはしばしば断食し、祈りを捧げている。ファリサイ人らの弟子たちもだ。ところがお前の弟子たちときたらどうだ。師と弟子、揃いも揃って飲み食いに興じているとはな!」

【原訳】34 イエスは彼らに向かって言う。「婚礼客が断食するか?新郎が共にいるのに、断食なんてできようか。

【原訳】35 ただ、新郎が取り去られる時が来るだろう。その時彼らは断食するだろうよ」。

【原訳】36 そしてイエスは彼らに向かって譬え話を語るのだった。新しい服から継ぎ布を裂いて古い服にあてるなど、誰もやらない。そんなことをすれば新しい服は破れてしまうし、古い服にも合いはしない。

【原訳】37 また、新しい葡萄酒を古い皮袋に入れるなど、誰もやらない。そんなことをしたら、新しい葡萄酒は古い皮袋を破くだろう。新しい葡萄酒も皮袋も両方駄目になってしまう。

【原訳】38 新しい葡萄酒は新しい皮袋にこそ入れるべきなのだ。

【原訳】39 古い葡萄酒を飲んだ後で、新しい葡萄酒を欲しがる者など誰もいないよな。人は「古い葡萄酒の方が良い」と言うものだ。