「みんなの聖書プロジェクト」のページをご覧くださり、ありがとうございます。
主宰の城倉啓(じょうくら・けい)です。
私は、東京都世田谷区の泉バプテスト教会で牧師をしながら、付属の幼稚園の園長・理事長、そして東京バプテスト神学校でヘブライ語・ギリシア語・アラム語を教えています。
このプロジェクトは、そうした日々の牧会と語学教育の中から生まれました。一言で言えば、ウエブサイト上にわたしたちが独自に生み出した聖書翻訳を2種類掲載していくというプロジェクトです。11月現在、創世記1-10章、マルコ福音書1-10章を掲載しています。
ビジョン:聖書を「読む」から「食べる」へ
みんなの聖書プロジェクトが目指しているのは、
聖書をただ「読む」だけでなく、「食べるように味わう」経験を、
できるだけ多くの方と分かち合うことです。
そのために私たちは、この翻訳を
「素人の、素人による、素人のための翻訳」
と名づけました。
ここでいう「素人」とは、決して「いいかげん」という意味ではありません。
地方でコツコツと語学に取り組んでいる牧師たちや、神学校の学生たち――
学会の第一線からは少し離れた場所で、
それでもなお、聖書のことばを丁寧に味わおうとしている人たちのことです。
単純素朴に聖書を原典で読みたいという人も含めて、私は、そうした方々を「主役」にしたいと思いました。
原典の学びと、教会・地域での奉仕が循環していくような翻訳。
それが、このプロジェクトのビジョンです。
翻訳の特徴:直訳と意訳の「食べくらべ」
私たちの翻訳には、少し変わった特徴があります。
それは、「極端な直訳(素訳と呼びます)」と「極端な意訳(超訳と呼びます)」を並べて提示することです。
素訳は、
原文の語順や文法構造をできるだけそのまま残すことで、
原典の「手触り」を伝えることを目指します。
超訳は、
日本語として読みやすく、時に大胆な解釈も含めながら、
「今を生きる私たちのことば」として聖書を聞きなおす試みです。
さらに、極端な意訳は一つだけではなく、
複数を併記することや、翻訳した人のコメントも付記することも検討しています。
一つの原語が複数の意味を含んでいるとき、
訳を一つに絞ってしまうと、どうしてもこぼれ落ちてしまうニュアンスがあります。
それならいっそ、「食べくらべ」ができるように並べてしまおう――
そんな発想から、この翻訳のスタイルが生まれました。
もちろん、文法的な間違いも出てくることでしょう。専門家の訳業ではないのですから。

